学校改革にあたって~学校の役割の明確化
私は34年間にわたる民間企業での人事や経営の仕事を通じて、社会で活躍している多くの人とお会いしてきましたが、これらの人にはいくつかの共通点があるということを感じました。その第一は〝自分なりのゆるぎない志を有し、これに根ざした高い目標を持っている。〟第二に〝この目標達成のために日々たゆまぬ努力を継続している。〟そして、第三は〝常に素直に反省することによって自らを律している。〟ということです。
3年前に、雲雀丘学園中学・高校の校是である『高志・自律・努力』を知った時、あまりにも社会で活躍している人のイメージと重なり、正直なところある種の衝撃を受けたのを鮮明に覚えています。これらの人は世の中のために貢献するという強い思いを持っておられます。この志は決して単に名誉や名声を得たり、お金儲けをするといった野心や野望といったものではありません。加えて、常に感謝や思いやりの心を持ち、あたり前のことをあたり前にするという凡事徹底の習慣が身についています。
一方で、新入社員をはじめ多くの若い人達と仕事を共にしてきましたが、年々指示されたことはやるが自ら問題意識を持って行動する人が少なくなってきたことです。また、他人の迷惑を考えず自分のことだけを優先するという傾向も増えてきているように感じました。これでは、決して社会で役立つことはできないでしょう。
このような状況を改善するためには、社会人になる前の教育が重要です。まさに〝学校は社会で役立つ力を育てるトレーニングの場〟でなければならないと思っています。