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学校改革にあたって~人間力・人格を磨く

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  これまで、将来社会で活躍するというテーマで色々なことを取り上げてきましたが、突きつめると知識・情操・意志の三つのバランスがとれている事が大切です。知識には「基礎知識」「専門知識」「一般常識」といったものが含まれますが、これらは比較的点数ではかれるものが多いようです。そして情操には「おもいやり」「真心」「素直な心」「感謝」「情熱」といったものがあり、意志には「ゆるぎない志」「我慢強い」「根気」といったものが含まれますが、これらは点数ではかれないものなのです。言い換えると、社会で活躍するためには「点数ではかれる力」と「点数ではかれない力」の二つが必要です。
  解りやすいように、これらの力を木で表わすと知識に相当する部分は枝葉、情操は幹、意志は根っ子ということになります。現在、わが国の教育界において問題であると感じるのは、目に見える葉っぱの部分を育てることに力点がおかれ過ぎている、言い換えると知識偏重型・受験重視型になっているのではないかということです。いくら葉っぱが生い茂っても幹が太くなければ途中でポキンと折れてしまうことになりかねません。また、しっかりとした根っ子が育っていないといずれは成長が止まってしまいますし、根っ子が腐ってしまえば木は枯れてしまいます。
  昨今は急速に世の中が変化するため、折角身につけた専門知識もすぐに陳腐化してしまいます。このため、これまでのように一旦専門知識を習得すれば何年にもわたってこれを活用することができ、安定した仕事に就けるということはなくなってきます。社会に出ても絶えず新しいことへ挑戦する、新しい知識・技能・ノウハウを取り入れ錆つかさないようにする、という姿勢が大切なのです。そして、このベースにあるのは、人間としてのしっかりとした根っこです。
つまり人間力・人格を磨いておくことは学力を伸ばすことに繋がるのです。まさに中学・高校時代は将来社会で活躍するための基礎づくりの時期であると言えるのではないかと思っています。