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大城加津也氏による講演

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  中学3年生は11月10日(月)から沖縄県の伊江島に研修旅行に出発しますが、これに先立ち同島在住の大城加津也(おおしろかつや)氏に講演いただきました。大城氏は伊江島で生まれ、これまで国営灌漑排水事業に深く関わってこられた方です。本校は本年度より人間教育の一環として環境教育をスタートさせましたが、この狙いは単に知識を学ぶということではなく、自ら考え行動することです。そのため環境教育のカリキュラムの中には極力通常の教室の授業とは異なる体験型の内容を取り入れることにしています。既に、中学2年生は奥大山にあるサントリー(株)の水工場見学とブナ林の散策や植樹体験を、中学1年生は有馬富士自然学習センターでの里山体験を行ないました。そして、中学3年生は伊江島での水活用について学習することになっています。
  今回の講演の中で大城氏からは次のような内容のお話がありました。
〝伊江島では降雨があっても56%が地下浸透してしまうため川がなく農作物を育てるための水の確保が極めて重要であり、これまで米軍や防衛庁の支援を受けてさまざまな取り組みを行なってきた。そして、40ヶ所にも及ぶため池を作ったが、水の循環ができないため水質が維持できなかったことや家庭からの排水の活用をはかるため分水した結果、すべてのため池が汚染されるといった失敗も経験した。このような経緯で、地下に止水壁を築造することによって、これまで海に流失していた地下水を貯留させ有効活用するという地下ダム構想が持ち上がり、やっと実現にこぎつけることができた。これによって農業用水が確保され、サトウキビから葉タバコ、鉄砲ユリ、電照菊と次第に高付加価値の農業生産ができるようになった。〟等です。生徒達は研修旅行を間近にひかえて、大城氏の話を興味深く聞いていました。
  講演の後は、伊江島には高校がないため子ども達は沖縄本土で下宿しながら勉強し、卒業後はなかなか帰島しないこと、農業従事者の高齢化が進んできていること、地下ダムによって海の環境がどう変わるのかはわからないこと等の話をお伺いしました。お忙しい中、遠路ご来校いただき心より感謝申し上げます。