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学校改革にあたって~学業と部活動の両立

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 昨年度の高校改革に続いて本年度より中学校に「一貫選抜」と「発展」という2つのコース制を導入したところ、一部の人から「雲雀丘は進学だけを目指す学校になるのですか?」「部活動はできなくなるのですか?」というような声が寄せられ驚きました。最近の風潮として何か新たなことを始めようとすると、残念なことに必ずこのような穿った見方が出てくる傾向があるようですが、絶対にこのようなことはありません。
  これまで何度も説明していますが、改革の基本の考え方は創立の精神であり、“将来社会で活躍する人材を育てる”ということなのです。私がこれまで一緒に仕事をしてきた人の中には、さまざまな学歴の方がおられましたが、単なる学歴と仕事ができるということは必ずしも一致しないということを実感してきました。実社会においては実践するという力が何よりも必要であり、いくら優秀で豊富な知識を有していても思いがなければ知恵に変わることはありません。また何でも自分ひとりでやるという考え方ではうまくいかないケースが多いのです。色々な力を借りる、異なる個性を持つ人と協力し合って仕事を進めていくというチームワークが必要なのです。そのためには他人に対する思いやりや人を動かす熱意、苦しい時にもへこたれない忍耐力といったものがベースになければなりません。そしてこれらはまさに教室における授業よりも部活動や学校行事によって養成される力なのです。私も学生時代はバレーボールに明け暮れていましたが、今振り返って見ると社会に出て一番役立ったのは“部活動”であったと自信を持って言えるのではないかと思っています。
  現在、中学では80%以上の生徒が何らかのクラブに加入していますし、高校の選抜特進クラスでも数多くの生徒が部活動で活躍しています。朝から晩まで知識を詰め込むような教育では決して人間としての根っ子を育てるということができず、結局社会で役立たない人間になってしまいます。昔から文武両道という言葉がありますが、部活動によって学業がおろそかになるということではなく、是非〝学業と部活動の両立〟をはかって欲しいものです。