悠久の地球~伊江島タッチュー
現在、中学3年生が研修旅行で宿泊している伊江島の中央東寄りに位置する標高172.2メートルの城山(グスクやま)は伊江島タッチューとも呼ばれていますが、地質学から見ても極めて珍しいものです。
伊江島の周辺では島が乗る白亜紀(1億4000万~6500万年前)の岩盤の下に三畳紀(2億5000万~2億1000年前)の岩盤が潜り込んでいます。ところがこの際に潜り込んだ岩盤の一部がはがれ、白亜紀の岩盤に乗り上げ堆積物となったようです。その後、今から4000万~3000万年前に隆起し、堆積物が永年にわたって侵食された続けた結果、現在のタッチューになったようです。このように、ある地盤が潜り込む際に一部が剥がれ落ちて別の岩盤に乗り上げる動きは「オフスクレープ現象」と呼ばれ、実際に目に見える形で確認された例は他にはないようです。
このように伊江島から突き出した形のタッチューは、実は島とは別の時代のもので7千万年も古いということになります。このことは琉球大学の海洋学科の氏家教授を中心とするグループが地層のサンプルを採取し、この中に含まれている放散虫(海の原生動物で年代決定の目安となる)を調べることによって確認したようです。
そして、今日はこのタッチューを眺めながら生徒達は伊江島での生活を楽しんだことでしょう。 地球が生まれてから46億年が経過していますが、この地球の誕生を元旦とする地球カレンダーでは人類の誕生は12月31日の午後10時46分です。この間に想像を絶する色々な変化が起こってきていることを知り興味深く感じました。