食料自給率を高める
わが国の食料自給率がカロリーベースで39%しかなく、先進国では最低の水準であるということに対して、農業政策を見直すべきであるという意見が多く出されるようになってきました。しかし、自給率を高めるために自ら行動を起こしている人は案外少ないように思います。
都道府県別に食料の自給率がどのようになっているのかを調べてみると、実に興味深い結果が得られます。これによると自給率が100%を超えている都道府県はわずか5つに過ぎません。トップが北海道の195%、次いで秋田県の174%、山形県の132%、青森県の118%、岩手県の105%です。裏返すとこれ以外は全て食料が自給できていないのです。因みに自給率が最も低いのは東京都で1%、2位が大阪府で2%、3位が神奈川県で3%、次いで埼玉11%、愛知・京都13%・・・と続き、兵庫県は16%です。こうして見ると当然のことながら人口の集中している都会の自給率が極端に低いということが解ります。
それでは我々が自ら食料自給率を高めるためにやることはないのでしょうか。「脚下照顧」という言葉がありますが、一人ひとりが自らの問題として行動を起こすことは数多くあるように思います。
我々がスーパーやデパートに行くと、世界各国から輸入された食材が〝所狭し〟と並べられています。最近、食の安全性が問題視されるようになり、国産品の良さが見直されるようになってきましたが、依然として輸入食材を購入しているケースが多いように感じます。「国産品を購入する」「地産地消を心がける」「余分なものは買わない」「食べ残さない」といった身近なことから始めたいものです。