これからの地球規模での課題~食料問題
昨今、マスコミでも頻繁に取り上げられていますが、先日(11月15日)、内閣府が発表した『食料・農業・農村の役割に関する世論調査』によると、世界的な食料危機に伴う食料品価格の高騰や「食の安全」を巡る問題を背景に、9割以上の人が将来に不安を持っていることが判りました。また、食料自給率を高めるために農業のあり方を見直すべきであると考えている人も多いようです。
食糧問題についての基本条件は安全な食糧が安定して確保されているということです。しかし、世界の人口が急激に増加する中で、すべての人間の命の源である食糧問題についての現状を正しく認識し、この問題解決のために自ら何らかの行動を起こしている人は少ないようです。
日本における最大の問題点は先進諸国の中でも極端に低い食料自給率です。参考までに現在の世界各国の食料自給率を見るとオーストラリア230%、フランス130%、カナダ120%、アメリカ119%、ドイツ91%、スペイン90%、スウェーデン87%、イギリス74%、イタリア71%、韓国50%、これに対して日本は39%しかありません。
この推移を見ると70%を切ったのが昭和41年(1966年)、60%を切ったのが昭和46年(1971年)、50%を切ったのが平成元年(1989年)ということになっています。そしてついに本年40%を切ることになりました。つまり、日本の工業化と反比例して食料自給率が低下してきており、貿易の不均衡を是正するために工業製品の輸出の見返りに食料を輸入してきたと言えます。