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「食」の現状を知る~安部司氏の講演より

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  安部司氏は大きなキャリーバッグを持参されましたが、この中には数多くの食品添加剤のビンがぎっしりと詰め込まれていました。講演にあたってはこれらをテーブルの上に並べて実際にスーパーに並んでいるジュースや漬物を目の前で作っていただきました。
  日本で使用されている食品添加剤は1500種類もあるようです。食品の裏には原材料として酸化防止剤、着色料、PH調整剤、脂肪酸、乳化剤等多くのものが記載されていますが、これらが何のために使用されているのかを知っている人は少ないようです。それではどうしてここまで食品添加剤が蔓延したのでしょうか。添加剤が使われているのは売る側だけではなく消費者の姿勢にも原因があるのです。売る側の立場に立つと、自然食品を生産、販売しているとすぐに食品が腐り、色あせするためどうしても価格が高くなってしまいます。その結果、全く儲からず廃業に追い込まれるケースが多いようです。一方、消費者は「安い」「簡単」「便利さ」「美しさ」「味がよい」ということを求めます。そして、この5つを実現するために食品添加剤が使われるのです。
  毎日の新聞に挟み込まれているスーパーの広告チラシには、特売品が掲載されており、食品売り場には実に多彩な食品が陳列されています。また、コンビニエンス・ストアには数多くの食品添加物が含まれた食品が散見されます。
  しかし、これらの食品添加剤が体にとって悪影響を与えるのは間違いありません。特に長期間にわたる摂取により体内に蓄積されるとさまざまな健康障害が起こってきます。食についての関心を高めていかなければならないと感じました。