原点に戻り自らを変える
今年の世相を現す漢字は『変』ということになりましたが、辞書でこの変という字を引くと「かわること。かえること」「非常の出来事、事故、事件」「普通でないこと。異常。奇妙」という意味が記載されています。
これらの意味は通常それぞれ別個に使用されるものですが、今年はさまざまな分野でこの3つの意味すべてに当てはまることが起こりました。
とりわけ経済について見ると、今年くらい大きな変化が起きた年はなかったと思います。サブプライムローンに端を発したアメリカ発の金融危機という事件は世界各国の実体経済を揺さぶり始めました。日本経済も年の前半は石油を初めとする資源の暴騰から後半は一転して急落、企業の業績も上半期は絶好調と言える業績から下半期は赤字に陥る等異常な状況が発生しました。
これまでの戦後の経済を見ると二度にわたる石油ショックや円高、バブル崩壊等不況と言われる局面も何度かありました。〝備えあれば憂いなし〟という言葉がありますが、企業においても家庭においてもある程度の危機管理はしていたはずです。しかし、今回はこれらをはるかに上回る規模であり、急激な変化であったため対応できていないのが現実です。
このような時には過去の延長線上で考え行動するのではなく、原点に戻ってすべてのことを見直していくことが何よりも大切です。思い切って自らを変えるという姿勢でこの難局を乗り切っていきたいものです。