« 日本の現状を把握する | メイン | 御節料理の由来 »

年末を迎えて

注連縄
  今年も残り3日になりましたが、年々お正月が新たな年のスタートになる〝節目〟という感覚は薄れてきているように感じます。以前、日本の家庭では新年を迎えるために御節料理をつくる、餅つきをする、煤(すす)払いをする、障子や襖はりをする、門松や注連縄を飾る等さまざまな準備を家族全員で行ないました。そして、すべての作業を終えて静かに除夜の鐘を聴き、新鮮な気持ちで新年を迎えるのが一般的でした。しかし、近年、手軽さや便利さを求めるあまり、面倒なことはできるだけしないとか、手抜きするといった風潮が増えてきています。御節(おせち)料理ひとつを取り上げてもデパートやコンビニで販売するところが増え、核家族化が進んできたこともあって作る家庭が極端に少なくなってきました。日本の御節料理はそれぞれの家で、親から子どもへと代々にわたって伝授されてきましたが、このままではどんどん廃れてしまいそうです。また、門松や注連縄を飾る家も少なくなってきました。更に正月は長期の休暇と割り切って海外で過ごすため、家の中の掃除や整理整頓もしないという人も増えてきているようです。
  各人がそれぞれの年末を過ごしておられると思いますが、気持ちを切り替えて新年を迎えていただきたいものです。
  なお、しかし、門松や注連縄を飾るのは12月29日と31日を避けるのが一般的です。これは29が「二重苦」、9の末日のため「苦待つ」に通じることになる、また31日も「一夜(一日)飾り」と言われ神をおろそかにするという理由からです。まだ、飾り付けが済んでいないご家庭は是非明日(30日)に行なってください。