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大晦日の由来と伝統の行事

年越しそば除夜の鐘
  いよいよ大晦日を迎え、間もなく激動の年が終わろうとしていますが、皆さんはそれぞれの思いで一年を振り返っておられることと思います。
  大晦日の「みそか」は本来「三十日」と書き、月の三十番目の日ということですが、転じて月の最終日を指すことになりました。晦(つごもり)とは陰暦では十五日に満月となり、月末になると月が見えなくなってしまうため、月隠(つきごもり)が訛ったものです。そして一年の最後のことを「みそか」に「おお」つけて「おおみそか」「おおつごもり」というようになったようです。
  大晦日の夜を一年の日ごよみを除くという意味で除夜と言い、一年を締めくくり、暮れゆく年を惜しむということから色々な行事が行なわれてきています。その代表が除夜の鐘をつくというものですが、この風習は中国の宋の時代に起こり日本には鎌倉時代に伝来したと言われています。新たな思いで新年を迎えるために、今年一年の自分の行いを改めて振り返り、至らなさや愚かさをしみじみ反省しながら除夜の鐘と共に洗い流すという趣旨です。
  また、年越しそばを食べるという風習は江戸時代中期から始まりましたが、そばを食べるのはさまざまな理由があるようです。〝伸ばして細く長く伸びるので、寿命や身代、家運が長く伸びる〟、〝金細工師が一年の作業を終える時に、そば粉を丸めて散らかった金粉を寄せ集めていたことからお金が集まる〟〝そばは切れやすいので、旧年の苦労や災厄を切り捨てる〟〝そばは風雨にあたっても、翌日陽が射すと起き上がるということから捲土重来を期す〟等といった意味が込められているようです。
  今年は多くの皆さんにご支援をいただき心より感謝しています。本当に有難うございました。年の後半にかけて実に厳しい一年でしたが、新たな気持で新年を迎えたいものです。

  なお以前勤務していた高松は讃岐うどんの産地だけあって、大晦日にはうどんを食べて一年を振り返ることになっています。それぞれの地で異なる風習が受け継がれており興味深く感じています。