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新年を迎えて~逆境に打ち勝つ

元旦
  明けましておめでとうございます。
  100年に一度という世界大不況の中でいよいよ新しい年がスタートしました。昨年はグローバル化が進む中でアメリカ発の金融問題は瞬く間に世界全体に波及し、日本経済にも大きな影響をもたらしました。株価は40%も下落、企業業績は急速に悪化、失業者は増加、個人消費は低迷等まさに先が見えない逆風が吹き荒れています。このような状況下にあっては、ともするとなかなか前向きに考え行動することができないものですが、〝厳しい〟という言葉を100回唱えても何も変わりません。むしろプラス思考で行動することが大切です。そのために、今年はこの校長通信においてもできるだけ元気の出る話題を紹介していきたいと思っています。
  私が勤務していた松下電器(現、パナソニック)の創業者である松下幸之助氏は「好況よし 不況さらによし」という言葉が口癖でした。この意味は〝景気に左右されている限り企業は発展することができない。人間は危機になれば智恵を絞り出すことになるため、新たな製品や技術を生み出すことになる。また、人が育つ絶好のチャンスである。〟ということです。
  過去の歴史を紐解いてみると、不況の時に時代を変える大きな技術革新が起きています。トヨタ自動織機が自動車部を設置したのは1933年、コピー機やポラロイドカメラが開発されたのは1937年(世界恐慌後)、コンピュータの開発は1945年(第2次世界大戦後)、ソニーがウォークマンを発売したのは1979年(第2次石油ショック後)、グーグルの設立は1998年(アジアの金融危機後)、アップルがiPod発売したのは2001年(ITバブル崩壊後)です。
  このように見ていくと、今回の不況は新しい技術革新が起き時代が変わるチャンスであると言えます。そして、アメリカの一極集中体制が崩れ新しい世界の枠組みが形成されるようになると思われます。
  今年の干支は〝丑〟ですが、白川静氏によると丑という漢字は「指先に力を入れて強く物を取る形」を表しているようです。まさに危機は何かを掴み取るチャンスです。〝逆境に打ち勝つ〟という強い思いを持って行動していきたいものです。
どうか本年も宜しくお願いします。