伝統の寒稽古
本校においては教育方針として人間教育の充実を掲げています。その一環として男子の体育の授業の中に武道を取り入れ、剣道と柔道のどちらか一方を選択させており、昨日(1月9日)より高校3年を除く全生徒と剣道部、柔道部の部員を対象に寒稽古を開始しました。この行事は途中震災での中止を除き毎年実施している伝統の行事で、本年で実に30回目となります。
本日は2日目ということで高校2年の生徒が朝7時に集合し、学年担任が見守る中約1時間にわたって白い息を吐きながら剣道と柔道に分かれて懸命に寒稽古を行ないました。1つの学年の男子生徒全員が稽古をする姿はまさに壮観そのものです。終了後、来年度の卒業アルバム用の写真撮影を行ないましたが、生徒達が引き締まった清々しい表情をしていたのが印象的でした。
一年で最も寒さの厳しいこの時期には日本各地でこの寒稽古が行なわれていますが、本校における寒稽古も逞しい肉体と旺盛な気力や忍耐力、決断力、集中力を養い精神面を鍛えるといったことを狙いとしています。日本には剣道、柔道、弓道、合気道、といった武道や書道、華道、茶道等「道」のつくものがたくさんありますが、これらの中に共通しているのは、相手を尊重する、感謝する、自分の心を整え正す、『礼に始まり礼に終わる』という言葉に代表されるように礼儀を重んじるということです。この行事は休み明けの火曜日に中学1年と2年、最終の水曜日に中学3年を対象に実施することになっています。この行事を通じて生徒達がお正月気分を吹き飛ばし、気持を引き締めて学習や部活動に励んで欲しいと思っています。
なお「寒」というのは年によって違いますが、今年は二十四節気の「小寒」(1月5日)から「立春」(2月4日)の前日である「節分」までを指し、「大寒」はこの中間の1月20日となっています。