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出る杭を伸ばす

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  大きな国土も大した資源もない日本が世界で認められるために進むべき道は「科学技術創造を基盤にイノベーションを創出して、国際競争力を強化する」ことであり、「いかに多様性を活用し社会を創造的に活性化するのか」ということが大切です。そのためには人材育成のイノベーションをはかり、グローバルな視点を有する人材を数多く輩出していかなければなりません。日本ではかつて「出る杭は打たれる」という言葉に代表されるように「金太郎飴」的な人材が重宝されました。そして、自分自身で考え行動するよりもトップの指示に従ってひたすら前を向いて走ることにより高度成長を可能にしてきたのです。このように同質集団化を追求し異質な人材を排除してきましたが、グローバル化された社会では金太郎飴は通用しません。これからは「異(異能・異端)が大事」であり、人材育成に対する「国民一人ひとりの意識改革」が強く求められているのです。
  イノベーション(innovation)の語源は、ラテン語の(innovare:新たにする)ですが、(in:内部へ)+(novare:変化させる)という意味です。従来はよく「技術革新」という言葉で言い換えられてきました。しかし本来の意味はこれまでのモノ・仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、永続的に大きな変化を起こすということなのです。同質なものに囲まれていると安心感にスッポリはまりこみ、異質なものがはじき出されるということになってしまいます。
  今の日本を見ると、あらゆる分野でこれまで同質集団化という強みが逆に弱みになってきており、これが発展を妨げる大きな要因になってきています。これからは異質なものを受け入れイノベーションをはかるという「出る杭を伸ばす」姿勢が必要であると感じています。