高等学校全校朝礼~立春を迎えて
2月4日(水)、高校生対象の全校朝礼で、次の様な話をしました。
〝今日は暦の上では立春ですが、旧暦では新年が始まることになります。昨日は節分ということで皆さんの中には豆まきをした人も多いと思いますが、何故豆まきをするのか知っていますか。昨日の夕刊には「インドネシアからやってきた介護見習いの人の豆まきは楽しかった」という記事が掲載されていました。
これからグローバル化がますます進展し、外国の人達と共に生活することが増えてきますが、日本の文化や伝統を正しく伝えていくということが非常に大切です。節分というのは2月だけではなく年に4回あります。つまり季節の分け目ということなのです。そして節分の翌日が立春、立夏、立秋、立冬になります。旧暦では昨日の節分は大晦日に当たるため、豆まきは邪気を払って新たな年を迎えるための行事なのです。そして、この行事にも十干十二支の考え方が取り入れられています。十二支は年以外にも方角、時刻等を表わしますが、方角について見ると北は「子」、東は「卯」、南は「午」、西は「酉」になります。そして東西南北の間に二つの干支が配置されます。そうすると北と東の間には「丑」と「寅」の二つが入ります。皆さんは鬼門という言葉を聞かれたと思いますが、読んで字のごとく鬼が入ってくる門であり、方角は北東つまり丑と寅の間(丑寅・うしとら)になります。鬼が牛の角を持ち虎のパンツをはいている意味が解ったと思います。また、桃太郎が鬼退治に出かけるという話がありますが、家来は鬼門の反対側に位置する申(猿)、酉「鶏→雉」、戌(犬)です。
古来より日本では〝清く正しく美しく心を磨き質素に生きる〟のが美徳とされてきました。そのため一年の中に色々な節目を設け、邪気を払うための行事を取り入れ、常に清々しい気持ちで生活することを心がけてきたのです。これは日本が世界に誇れる素晴らしい伝統であり文化です。皆さんも日本人として、また雲雀丘学園の生徒としての自覚と誇りを持ち、新たな気持ちでスタートしてください。〟