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『おくりびと』を鑑賞して

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  3月11日(水)、滝田洋二郎監督、本木雅弘・広末涼子主演の話題作『おくりびと』の鑑賞会を学園講堂で開催しました。午前は高校生対象、午後は中学生対象でしたが、保護者の皆さんも多数お見えになりました。この作品は『DEPARTURE』という名前で海外でも上映され、先日見事「第81回アカデミー賞外国語映画賞」を受賞しました。
  ストーリーは〝所属するオーケストラが解散し、職を失ったチェロ奏者の大悟が演奏家を続けることを諦め、妻の美香を連れて故郷の山形に戻ります。ここで「旅のお手伝い」という広告に惹かれ、ひょんなことから納棺師という仕事に就き、散々な目に遭うことになります。そして妻や友人から反対されながらも何とかこの仕事を続けますが、まごころを込めて死者に接することにより遺族の方から感謝されるケースが増え、次第に納棺師の仕事に充実感を見出していきます。そして最後には幼い頃に別れた父親の死に遭遇し親子の愛情を再認識する〟というものです。
  英語名のDEPARTUREという意味は出発=旅立ちですが、まさに死も一つの旅立ちであり、悲しいはずのお別れを優しい愛情で満たしつつ、きれいにお棺に納めてあげるという納棺師の仕事を取り上げたこの作品は、命の大切さや職業に対する偏見、親子の絆など色々なことを我々に語りかけてくれます。
  最近は核家族化が進み、子ども達が肉親の死に直面することが少なくなってきていますが、命というものについて考える良い機会になったのではないかと思いました。