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日本の文化と伝統~お彼岸と春分の日

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  一昨日(3月20日)は春分の日でしたが、この日は〝自然を称え将来のために努力する日〟と定められ祝日になっています。春分は二十四節気のうちの一つであり、啓蟄(けいちつ・大地が温まり、冬眠していた虫が穴から出てくる)と清明(さまざまな花が咲き乱れお花見シーズンになる)の間に位置しており、春分を含む何日かは、太陽は真東から上がって真西に沈みます。
  また、春分の日を中日(ちゅうにち)として、前後三日間の計七日間を彼岸と呼び、あの世の死者の安らかな成仏を願うということから、この期間には各寺院や家庭で彼岸会の法要が行なわれることになっています。皆さんの中にもお墓参りに行かれた方も多かったのではないかと思います。
  この彼岸というのは仏教用語ですが、正しくは到彼岸(とうひがん)です。仏教では〝生死を繰り返す迷いの世界(生死輪廻・しょうじりんね)〟を此岸(しがん)と呼び、この世を離れて苦しみのない涅槃常楽(ねはんじょうらく)な彼岸に到るという意味です。 彼岸は春分の日だけではなく秋分の日の前後にもありますが、仏教の教えとして中道という考え方があり、昼夜の長さが同じで暑くもなく寒くもないほどほどの気候ということから定められたのではないかと言われています。
  また、もち米とあんこで作られた同じ食べ物でありながら「ぼたもち」と「おはぎ」というように呼び方が違うのは、食べる時期が異なるためです。つまり、それぞれの季節を意識して名前が変えられており、春は「牡丹」、秋は「萩」という花の名前がつけられています。そして牡丹餅にはこしあん、お萩にはつぶあんが使われています。そして、あんの材料である小豆は古来より邪気を祓(はら)うとされているのです。
  お彼岸にあたって、このような日本の伝統や文化をことも子ども達に伝えておきたいものです。