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温暖化ガス15%削減

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  6月11日(金)、朝刊各紙のトップ見出しは『温暖化ガス15%削減』という活字が並んでいます。
この内容は〝日本の2020年時点での温暖化ガスの中期計画を2005年比15%削減する〟というものですが、1990年の従来基準比では8%減にしかなりません。この年に京都議定書で約束したのは2008年~20012年までに6%削減するということでしたから、わずか2%の上積みにしかならず、大幅な後退と見られるのは間違いありません。
  わが国の温室効果ガスの排出量は1990年(基準年)が12億6100万トンでした。ところが2006年には13億4000万トン、2007年には13億7100万トン(速報値)と増加し、基準年に対しては減るどころか8.7%の増加になっています。厳しい見方をすれば、これまで国を挙げての思い切った環境対策はほとんど実施されず、個々の企業努力に依存するということになっていたように感じます。
またこの間、太陽光発電についても新規の設置に対する補助金をカットする等時代の流れに逆行するような動きになっていました。このため、世界のトップ水準であった太陽光発電についてもドイツや中国等に追い上げられて優位性がなくなりつつあるのです。
  この日本の発表を受けた世界各国の反応は実に冷ややかです。そして、国際世論では残念ながら「低炭素社会で世界をリードする」という日本の思いは受け入れられない公算が大きいと言われています。そもそも今回の目標は、国内の産業構造が大きく変わらないことを前提にはじき出されていますが、世界全体が『低炭素社会』へと踏み出す中で日本が取り残されることのないようにしなければなりません。
今回は家庭の負担が増える内容になっていますが、国民一人ひとりが自分のことや目先のことに目を奪われることなく、多少痛みを伴ってもライフスタイルを変えるという強い思いを持たなければいけないと思っています。