日本人の智恵 ~世界に誇れる健康食品〝梅干〟
6月21日(日)、この時期には自家製の梅酒や梅干を漬けておられるご家庭もあると思いますが、わが家でも恒例になっている〝梅漬け〟を行ないました。
本格的に梅漬けを始めて既に10年以上になりますが、月ヶ瀬(奈良県)での梅ノ木のオーナー制度を利用して自ら梅の実を採取し、添加物を使用しない10%減塩の梅干にしています。このきっかけは海外での生活において、梅干が胃腸を整えるために大いに役立ったという経験があったからです。それ以降、海外をはじめ小旅行の際には必ず梅干を携帯するようにしています。
梅は約1500年前、遣隋使であった小野妹子によって日本にもたらされたと言われています。もともと中国では梅干ではなく梅の実を燻製させて作った「鳥梅(うばい)」というものが薬として珍重されていました。そのため、わが国においても当初は薬用として使用されていたという記録が残っています。その後、平安時代や鎌倉時代には高級食品として貴族の間で食されており、戦国時代には戦場に出かける際に腰に梅干を携帯していたようです。また、江戸時代に入ると日本人の手によって梅の品種改良が進み庶民の間にも梅の食用が広がりました。そして、梅干が医療や健康面で脚光を浴びるようになったのは、明治時代になってコレラや赤痢の予防、治療に幅広く用いられ、大きな効用のあることが証明されたからです。
梅干は酸っぱいために酸性食品であると思われがちですが、実は強いアルカリ性食品です。また最近、梅干にはさまざまな効用があることが判ってきましたが、梅干は日本人の智恵が生かされた世界に誇れる健康食品なのです。
スーパー等には数々の商品が販売されていますが、一度自家製の無添加梅干づくりに挑戦してみてください。