百見は一験にしかず
6月8日から始まった3週間の教育実習も残すところ二日となりました。この間、実習生の皆さんには早朝の挨拶・服装指導からクラス運営、授業参観等さまざまな経験をしていただきましたが、最後の仕上げとして実際に教壇に立って生徒に授業を教えるということになります。今週に入って、実習生から次々と学習指導案が届けられたので、ざっと目を通してみました。それぞれの実習生には指導教諭がついており、きめ細かな指導をしているため、どれを見ても授業の内容はきっちりと整理されているように感じました。
これまでの実習期間中の感想を聞くと、多くの人から〝大変勉強になりました〟という感想と共に〝人に教えることは本当に難しいと感じています〟という答えが返ってきますが、これは当然です。人を教えるためには少なくとも7倍の力が要ると言われますが、個々の生徒に応じて臨機にやり方を変えるということができるようになるためには、それなりの懐の深さが必要になると思います。どのような生徒であっても気持ちをひきつけ授業に集中させることができるようになるためには、日々の研鑽が必要なのは言うまでもありません。思い通りの授業ができないことを生徒のせいにするのは、自分の力量不足を公言していることに他なりません。
昔から〝百聞は一見にしかず〟と言われますが、〝百見は一験にしかず〟という表現の方が適切であると思います。塩の辛さや砂糖の甘さは舐めてみないとわかりません。何よりも経験すること、そして素直に反省し改善していくという姿勢が大切です。
実習生の皆さん、今回の教育実習の体験を是非これからの飛躍に繋げていってください。