富士山のゴミ
8月26日(水)、夏休み後初めての高校生対象の全校朝礼を行ない、富士山の写真を見せながら次のような話をしました。
〝今日は富士山に関する話をします。富士山は遠くから見ると誰もが本当に美しい山だと感じると思います。日本が世界遺産条約に加入したのは1992年ですが、その当初から富士山を世界遺産にしようという動きがありました。
富士山の自然遺跡的な価値は、単独の火山で3000mを超える山は世界的にも難しい、裾野までの姿が美しい、溶岩洞窟には希少な野生動物が住んでいる、溶岩地形が多様である等です。しかし、残念なことに17年経った今も世界遺産にはなっていません。どうしてなのでしょうか。実はこの原因は富士山のゴミ問題なのです。
富士山には年間で3000万人もの観光客(1日では約8万人)、30万人の登山客(1日では8千人)が訪れています。登山道であるハイウエイ(スバルライン)ができたことにより、渋滞がおきタバコの吸殻や空き缶が投げ捨てられるようになってきました。また、日の出を見るために夜間に登山する人が多くうっかりポイ捨ても増えてきています。更に産業廃棄物が大量に不法投棄されています。これに対して『環境保全対策委員会』の設置、環境NPO団体による保全活動、ボランティアによる樹海の清掃活動等が行なわれていますが、ほとんど改善されていないのが実情なのです。このように一人ひとりの人間の行動が富士山という素晴らしい自然環境を破壊しているのです。
大切なことは「一人ひとりがゴミ問題を自分のこととしてとらえ、意識しながら生活していく」ということです。 今、学園内では、校務員やシルバーの方が常に清掃を心がけていただいているお陰で、美しい環境が保たれていますが、《私散らかす人 あなた掃除する人》ではいけないと思います。
環境の取り組みは3R = Reduce / Reuse / Recycle/が基本ですが、この中でもゴミを出さないというReduceが最も重要です。今年の文化祭のテーマは、≪エコ ニコ≫ですが、是非、全員が美しい環境づくりを心がけていきたいものです。〟