食料自給率を高める
《サツマイモ畑》
日本の食料自給率は少し改善され41%になりましたが、なお先進諸国の中では極端に低い水準です。今、日本は世界各国からさまざまな食料を輸入していますが、これを可能にしているのは約1兆ドルにも及ぶ外貨を保有しているからです。この膨大な外貨は自動車や電機、建設・工作機械等の輸出によってもたらされているのです。しかし、近年世界の人口が急増してきており、必要な食料は増加の一途を辿ってきています。また、一方で地球環境の激変によって干ばつや大洪水が発生し、農作物の収穫が急減するといったケースが増えてきています。更に、本来食料にすべきトウモロコシやサトウキビがバイオ・エタノールの材料に使用されるようになる等、エネルギーが食料に優先されるような動きも出てきています。
このような状況は今後も継続して起こってくるため、食料不足は益々顕著になってくると思われます。日本は戦後急速な発展を遂げ、世界有数の経済大国になりましたが、その一方で農業や漁業といった人間の食生活を支える産業が衰退してきました。長期的に見た場合には食料の国際価格は上昇しますし、極端な場合にはお金があっても売ってもらえないというケースも出てきます。食料自給率を高めるためには、国をあげて取り組んでいかなければなりません。まず、食料に関する現状を国民一人ひとりがしっかりと認識していきたいものです。