日本のエネルギー事情~自給率の現状
民主党の鳩山新政権が掲げる温室効果ガスの削減目標「20年までに90年比25%削減」については連日のようにマスコミに取り上げられていますが、日本のエネルギー事情について触れておきたいと思います。
環境クイズの中の質問にもありましたが、日本で使うエネルギーの96%は輸入に依存しています。言い換えると1次エネルギーとしての石油、液化天然ガス、石炭といった化石燃料と原子力発電の燃料としてのウランを海外から輸入し、これを電気、都市ガス、灯油といった使い勝手の良い2次エネルギーに転換しています。このうちの約半分(47%)が石油であり政情不安な中東からの輸入になっています。このように日本のエネルギー自給率は原子力発電を含めても19%、これを除くとわずか4%しかなく、エネルギーの安定確保をはかることが極めて大切であることが分かります。
1960年には日本のエネルギー自給率は国内炭や水力発電の活用により60%を達成していました。しかし、高度成長時代に安価な石油が大量に供給されるようになり、一挙に石油への転換が進みました。そして、1973年(昭和48年)の第1次オイルショック時までには石油の依存度は77% にまで上昇することになりました。このオイルショック時には、それまで1バーレル2~3$で推移していた石油が12$に急騰しました。これに危機感を持った日本企業は徹底的に省エネを進めましたが、これが結果的に企業の体質強化に繋がったのです。その後石油価格は乱高下し、昨年7月には投機マネーの流入等もあって1バーレル134$という異常な価格になったのです。いずれにしても温室ガスの削減のためには化石燃料の依存度を減らす努力が必要です。これから何回かにわたってエネルギー問題について紹介していきたいと思っています。