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日本のエネルギー事情~部門別の消費の実態

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  わが国のエネルギー消費は大きく3つの部門に分けてとらまえることができます。家庭や職場で直接エネルギーを利用する「民生部門」、ヒトやモノの輸送にエネルギーを利用する「運輸部門」、モノの生産にエネルギーを利用する「産業部門」です。この3つの部門におけるエネルギーの消費量を第1次オイルショック時(1973年)と比較すると民生部門は2.5倍、運輸部門は2.1倍、産業部門は1.0倍ということになっています。これを見る限り、産業部門における省エネ対策は民生や運輸部門に比較すると進んでいることが分かります。そして、エネルギー消費の割合は石油ショック時に 産業:民生:運輸が4:1:1であったのが、2:1:1に変化してきています。
  今回の温暖ガス25%削減という方針に対して、産業界では非常に高いハードルであるという意見が数多く出されていますが、民生や運輸部門における取り組みを強化することが大切です。民生部門は家庭部門と業務部門に分かれますが、家庭部門では第1次オイルショック時に比べて2倍、企業の事務所・ビル、ホテルやデパート、学校などの業務部門は3倍近くのエネルギーを消費しています。
また、運輸部門には、乗用車やバスなどの旅客部門と陸運や海運といった貨物部門がありますが、鉄道や海運、バスが減り、乗用車やトラックが増加してきています。この結果、エネルギー消費量も年々増えてきたのです。
  また、石油ショックの後、省エネルギー型の家電商品や自動車などの開発が進み、次第に家庭に普及しましたが、より利便性、快適性を追求するライフスタイルの変化によってエネルギー消費は増え続けているのです。これからは国民一人ひとりが環境問題を自分自身のこととしてとらえ、自らのライフスタイルを見直すことが何よりも大切なのではないかと思っています。