高い目標を掲げ共有する
90カ国以上の首脳が参加した『国連気候変動サミット』において、鳩山首相は〝2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する〟ということを宣言しました。この数値については日本経団連をはじめ経済界からは大きな反発があることは事実ですし、チャレンジャブルな目標であるのは間違いありません。しかし、日本が国際公約したことは事実であり、この目標は何としても達成しなければなりません。もし、この目標が未達成ということになれば日本は完全に国際社会から信用されなくなってしまいます。
私が以前勤務していたパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、貿易自由化という大きな潮流の中でトヨタからカーラジオの納入価格について即刻5%、半年後に20%という大幅値引きを要求され、幹部社員が困っていた際、次のように答えたそうです。〝松下がトヨタさんの立場であれば同じ要求をしていたかも知れない。コストダウンというのは5~10%を目標にしていたのでは安い材料に変えるといった小手先だけの対応になってしまう。ゼロベースから設計を見直すことが大切である。これを達成できればトヨタさんだけでなく世界中で通用する商品になる。これは松下にとっては大チャンスである。〟
このエピソードは何事においても前向きに考え行動することが大切であることを我々に示唆しています。今回の温室効果ガスの削減目標について異を唱えているだけではいつまで経っても前には進みません。国際社会における地位が年々低下している日本の存在感を示すためにも全国民がこの目標を共有し取り組んでいかなければならないと思っています。