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安岡正篤氏について

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  昨日、小野晋也氏が取り上げた九人の先達の中で、安岡正篤氏についてはあまり知らないと答えた人が多かったようです。安岡正篤氏は人の道・国家と指導者のあり方を説き不朽の人間学によって社会を啓発した人間学・陽明学者であり、昭和の碩学(学識の広く深い人)です。
  安岡正篤は、孔子・孟子や老子・荘子ほか東洋先哲の教訓に潜む普遍の真理についての造詣が深く、そのテーマは国家治乱興亡の歴史、英雄・先覚者の人間像、科学と産業、教育と道徳、人生と家庭、経営と行政、自然と環境など、実に多くの領域にわたっています。その凝縮したものが人の道と指導者のあり方に関する教えであり、安岡人間学(人物学)と言われています。そして、吉田茂や佐藤栄作、中曽根康弘といった昭和を代表する歴代の首相や三菱グループ、住友グループ、近鉄グループ、東京電力等の多くの財界人に師と仰がれました。また、「平成」の元号の考案者でもあります。
同氏は「思考の三原則」として次の三つのことを取り上げておられます。
  一、目先にとらわれず、長い目で見ること
  二、物事の一面だけを見ないで、出来るだけ多面的全面的に観察すること
  三、枝葉末節にこだわることなく、根本的に考察すること
  まさに、現在のような混迷かつ激動の時代には非常に大切な味わい深いものがあります。我々の周りを見ると、あまりにも目先のことにとらわれ、物事の一面だけを見、枝葉末節なことにこだわっていることが多いように感じています。今一度、自分自身の言動を見つめ直してみることが必要ではないかと思っています。