« 地理や歴史を学ぶ | メイン | 後期始業式にあたって »

世界の国々~ブラジル連邦共和国

brazil01.jpg

  外務省の発表によると、2009年1月現在の世界の国の数は193カ国ということになっています。
これらの国を見ると単一民族というところは少なく、ほとんどが宗教や言語、生活習慣が異なる多くの民族で構成され、一つの国家を形づくっています。しかし、過去の歴史を紐解くと相次ぐ戦争の結果、国境は絶えず変わってきていますし、現在でもいたる所で領土をめぐる紛争や民族対立が起こっています。従って、それぞれの国の概要を述べる際には、縦軸としての歴史と横軸としての国際社会における政治や経済の現状をしっかりと把握しておくことが大切です。
  ブラジルは1500年にポルトガル人のペドロ・アルベス・カブラルによって発見され、16世紀半ばにはポルトガル国王の直轄地となりました。その後、砂糖産業の隆盛に伴いアフリカからの黒人奴隷が流入され、更に18世紀に入って、金鉱やダイヤモンドの発見により空前の繁栄を遂げますが、ナポレオンのポルトガル侵攻により、王室がブラジルに移転を余儀なくされます。その後、帝政として独立しましたが、やがて共和制や軍政に移行しました。この間、19世紀の終わり頃から大量の自動車が生産されるようになり、そのタイヤの原料として天然ゴムブームが起こりますが、これも長くは続かず人工ゴムの発明等で衰退してしまいます。そして、1985年からは民政が復活しましたが、政策の失敗からハイパーインフレーションを招き、ブラジル経済は一時大混乱に陥りました。
  現在はBRICsの一翼として、GDP(国内総生産)は1兆8000億ドルを超え世界第8位、ラテンアメリカ最大の経済大国になりました。また人口は1億8千万人、国土面積も851万平方キロと共に世界5位であり、国土の約4割を占めるアマゾン森林地帯は日本の13.5倍に及んでいます。
  品目別の生産高を見ると牛肉は世界2位、鶏肉は3位、砂糖は1位、大豆は2位、鉄鉱石は2位となっており、世界で唯一商業ベースでのエタノール自動車の生産にも成功しています。このようにブラジルは大きな潜在能力を有しているのです。移民を通じて日本との関係も深いブラジルの動きをこれからも注目していきたいものです。