天皇陛下ご即位20年にあたって
11月12日(木)は天皇陛下ご即位20年にあたり、1990年に昭和天皇の喪が明け即位の礼が行なわれた日なのです。本日はこれを祝って、東京の国立劇場で政府主催の記念式典が開催され、皇居前広場では民間主催の祝賀式典がとり行なわれます。
本学園では政府、文科省、兵庫県より、式典当日に各公署、学校、会社その他一般においても国旗を掲揚するよう要望されたことを受け、全教員にこの趣旨を徹底すると共に国旗を学園講堂前に掲揚しました。早朝、少しの間講堂前で登校してくる生徒達の様子を観察していましたが、ほとんどの生徒が国旗に気づかずに通り過ぎていきました。そのため、職員朝礼において各クラス担任からホームルームで生徒達に伝えてもらうようお願いしました。
振り返れば、平成元年は世界史的に見てもエポック・メーキングな年であったと思います。ヨーロッパにおいてはベルリンの壁が崩壊し冷戦の終結と共にソ連の解体が始まりました。そして、一挙にグローバル化の波が押し寄せ、世界経済の枠組みが再構築されるようになったのです。また、中国で天安門事件が起こったのもこの年です。
日本は1980年代には経済の最盛期を迎えていましたが、バブル経済が崩壊しグローバル化に乗り遅れてしまいました。今の中高生は全員が平成になってから生まれてきており、幼少の頃から閉塞感の中で成長してきました。このため、日本の元気な姿をほとんど見ないまま今日に至っているのではないかと思います。
天皇陛下は「日本の将来にとっての心配は何ですか」というマスコミの質問に対して、「過去の歴史を忘れしまうことである」とお答えになられたようですが、歴史的事実にはさまざまな教訓があり、それを正しく認識することは未来への備えになるのは間違いありません。
教職に携わる者が日本の国の歴史をしっかりと把握し、生徒達にこれらを正しく継承していくことが大切であると思っています。