読書週間を終えて
11月3日の文化の日を挟んだ10月27日から11月9日の2週間は『第63回読書週間』ということになっていましたが、皆さんはどれくらい読書をされましたか。
先日、本校の生徒達の図書室における貸出冊数を調べると過去半年間で平均5冊強で、決して多いとは言えません。また個人差が極めて大きく、概して読書量の多い生徒の学力が高いようです。
最近、気になるのは年々活字離れが進んできており、本だけではなく新聞を読まない若者も増えてきているということです。この原因は色々考えられますが、テレビを主とするメディアやパソコン・携帯端末の急速な普及が上げられるように思います。私も毎日往復約3時間かけて電車通勤していますが、新聞や本を読むより、携帯端末を操作している人の方が圧倒的に多いようです。この結果、日本人の国語力が急速に低下してしまいました。そして、大学入試においても設問の意味を理解することができないため正答を導き出せない生徒も増えてきているようです。
読書の鼓吹、図書文化の普及、良書の推薦を目的とした読書週間のルーツは、はるか大正時代(1924年・大正13年)にまで遡りますが、戦争によって一旦廃止されました。そして、戦後間もない1947年(昭和22年)、“読書の力によって平和な文化国家を創ろう”という決意のもと出版社,取次会社、書店、公共図書館、新聞・放送のマスコミ等の関係者が結集して見事に復興し、名称も『第一回読書週間』とされ、翌年の第2回目からは現在の形になりました。以降、「読書週間」は日本の国民的行事として定着し、各家庭においても、幼少の頃から子ども達に本を与えてきたのです。この結果、日本は世界有数の「本を読む国民の国」となりましたが、これまで日本が高い教育水準を維持することが出来たのは、この読書力が大きな要因であるのは間違いありません。
〝自ら学び、調べ、考える〟という習慣をつけることは生徒達が将来社会に出た時に大いに役立つと思っています。これからも、大いに読書を奨励していきたいものです。