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日本の伝統精神を学ぶ

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  少し前、この校長通信で日本は閉塞状態の中にあるのではないかということを述べましたが、この原因はかつての日本人が持っていた「伝統精神の喪失」にあると思います。今の日本を見ると、人が人として健全に生きていくための「志」「気概」「誇り」「道徳」というものがあまりにも失われてきているように思えてなりません。木に例えると人間としての土台、つまり〝根っこの部分〟が弱体化しているのです。何故このような状況になってきたのでしょうか。それは自分を磨くための教育や躾が家庭や学校、社会からも消えてしまったのが原因ではないかと思います。
  これから日本が世界から認められ繁栄していくためには、日本人一人ひとりが自分自身を磨きしっかりとした人間力を身につけていくことが必要です。それには優れた師に学ぶか、本を読むことしかないと思います。しかし、我々一般の人が優れた師を見つけることは容易ではありません。そうなると、人間力を磨く道は〝いかに日本人ならびに日本人の生き方をつくってきた先賢・先学の「名著」を読むか〟ということになります。
  作家で思想史研究家の岬 龍一郎氏の著書『日本人の名著を読む』の中にはこれだけは知っておきたい日本人の名著23人23冊が紹介されています。私も時間を見つけて一通り目を通しましたが、大変勉強になりました。しかし、詳細な内容についてはほとんど自分のものになっていないため、最近これらを読み返すことにしました。やや難しい内容のものもありますが、以下に紹介しますので、時間を見つけ出して是非紐解いてみてください。
1. 吉田兼好 『徒然草』         2. 宮本武蔵 『五輪書』
3. 中江藤樹 『翁問答』       4. 山鹿素行 『山鹿語類』
5. 伊藤仁斎 『童子問』        6. 貝原益軒 『養生訓』
7. 松尾芭蕉 『奥のほそ道』      8. 新井白石 『折たく柴の記』
9. 山本常朝 『葉隠(はがくれ)』   10. 石田梅岩 『都鄙(とひ)問答』
11. 恩田木工 『日暮(ひぐらし)硯』  12. 杉田玄白 『蘭学事始』
13. 佐藤一斎 『言志四録』        14. 頼 山陽 『日本外史』
15. 二宮尊徳 『二宮翁夜話』      16. 佐久間象山『省けん録』
17. 橘 曙覧(あけみ)『独楽吟』    18. 勝海舟 『氷川清話』
19. 西郷隆盛 『南洲翁遺訓』     20. 吉田松陰 『講孟(もう)余話』
21. 福沢諭吉 『学問のすすめ』    22. 内村鑑三 『代表的日本人』
23. 新渡戸稲造『武士道』