毎日新聞の『記者の目』を読んで
現在、予算の無駄を洗い出す政府の「事業仕分け」が連日新聞やテレビなどで報道されています。
本日の毎日新聞の8面には『記者の目』として東京経済部の寺田剛氏の記事が掲載されていますが、税金のあまりの無駄遣いに驚くと共に憤りを感じている人も多いのではないかと思います。
私が民間企業での勤務を通じて勉強したのは〝徹底したコスト意識〟です。上司からは〝これをやるには人件費を含めてどれだけのコストがかかるのか〟とか〝すべてのコストは製品に反映されるということを忘れるな〟とか〝自分の財布からお金を出すという気持ちでやれ〟ということを常に言われていました。
仕事には「絶対にやらなければならないもの」「やればそれなりの効果があるもの」「どちらかと言えばやったほうが良いもの」「以前からやってきたから続けていくもの」等さまざまなものがあります。しかし、ヒトやモノ、カネには限りがあるため、すべてのものをやることはできません。そのため、仕事を洗い出して緊急度と重要度に分類し、優先順位をつけます。その上でどれだけのコストをかけてどれだけの成果を出せるのかということを詳細に検討し、やるものを決定します。当然のことながら大きなコストをかけることができずに見送らなければならないものも出てきます。また、仮に予算が同額であれば、新たなものをやるためにはこれまでやっていたものを思い切ってやめるということも必要になってきます。足りなければ借金するということでは、経営が破綻するのは目に見えています。
個人の家庭で一家の収入をはるかに上回る支出を続けていれば、当然のことながら家計が成り立たなくなるでしょう。これと同じことが国や地方のレベルで起こっているのです。現在の厳しい経済情勢下においては今一度、「仕事の集中と選択をはかる」という視点でシビアにやるべきことを見直す、これまでの延長線上の考え方から脱却して、ゼロベースで検討するという姿勢が必要であると思います。
これから、本校についても来年度の経営計画を策定していきますが、原点に戻ってすべてのものを今一度見直し、教育内容の充実につとめていきたいと考えています。