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日本経済の動向

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  アメリカ発のリーマンショックが瞬く間に全世界に波及し、百年に一度と言われる大恐慌に陥り、日本においても輸出関連企業を中心に業績が悪化しました。これに対応して各企業は開発・生産・販売体制の見直し、コストの削減を加速しました。設備の解消や新規設備投資の抑制、人件費・研究開発費・広告宣伝費の削減等のリストラクチャーによって必死にこの危機を乗り切ろうとしています。また、今後成長が期待される中国やインドに軸足を移す動きも出てきています。しかし、失業者の増加や可処分所得の減少によって国内の個人消費は一向に盛り上がってきません。〝巣ごもり〟という言葉に代表されるように極度の節約志向に陥り、昨今はデフレ経済に陥ることも危惧され始めています。また、今月3日に日本経済新聞社が発表した1月~3月期の主要30業種の『産業天気図予測』を見ても回復に足踏み感が出てきており、先行き全く予断を許さない状況です。
  これまで技術立国として成長を遂げてきた日本が再生するためには早急に企業経営を回復させなければなりません。これが達成できなければ税収が増えることは期待できませんし、いつまでも国債に依存する借金体質から脱皮できないことになります。また、折角大学を卒業しても就職すらできないということでは、日本の若者達に夢や希望を与えることはできません。
  このように考えると、日本にとっての最大の関心事は経済が本格的な回復に向うかどうかということになります。アメリカの一極体制から多極化体制に移行する中にあって、日本経済がおかれている現状を正しく理解し、今後の動向を注視していくことが大切であると思っています。