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今後の労働力の確保

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  今年も多くの方から年賀状をいただきました。年々定年による退職者が増えてきていますが、まだまだ体力的にも能力的にも第一線での勤務が可能な人が多いようです。しかし、これまでの経験を生かし引き続いて仕事をされている人がおられる一方で、趣味中心の生活を送っておられる人もおられます。あくまで就職は個人の選択ということになりますが、今後急速に高齢化が進展するわが国の状況を見ると医療や年金にかかる財源は確実に増加していきます。そもそも現行の制度は〝人生60年〟を前提に作られており、80年を想定したものではありません。従って、現行制度のままで抜本的な改革がなければ財政的に破綻していくのは明らかです。これを解消していくためには元気な高齢者の雇用を検討していかなければならないと思います。
  現在、日本は働きたくても仕事がないという人が数多く見られますが、一方で農林水産業や介護、医療分野では人手が不足するというミスマッチの状況に陥っています。特に第1次産業においては高齢化が進み後継者が確保されていないという深刻な事態が生じてきているのです。また、第2次・3次産業においても団塊の世代の大量退職によって、これらの人が有するノウハウや技能の継承が極めて大切になってきています。高齢者の雇用を進めると若年者の雇用が圧迫されるという意見もありますが、中長期的に見ると〝労働力が減少する〟という初めての経験をすることになります。
  これからは新規分野における雇用の創出と共に産業構造に見合った労働力の確保を進めていかなければならないと思っています。