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今年の干支(庚寅)

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  「今年のえとは?」と質問すると〝虎〟という答えが返ってきます。現に、今年いただいた年賀状を見ても虎の絵柄が数多く見られます。
  しかし、「えと」という字は「干支」と書くように「干」と「支」の組み合わせであり、十干と十二支から構成されています。つまり、十干というのは五行(木、火、土、金、水)を更に陽を表す兄(え)と陰を表す弟(と)に分け、 甲(きのえ)乙(きのと)、丙(ひのえ)丁(ひのと)、戊(つちのえ)己(つちのと)、庚(かのえ)辛(かのと)、壬(みずのえ)癸(みずのと)の10になっています。
  一方、十二支は12年で太陽の周りを一周する木星の軌道をベースにしており、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12に分かれています。そして分かりやすいように動物の名前がつけられたのです。
  この十干と十二支を組み合わせると、10と12の最小公倍数である60種類の暦が出来上がります。この60の暦の最初が甲子(きのえね)であり、次が乙丑(きのとうし)と続き、最後が癸亥(みずのとい)になります。因みに昨年は26番目の己丑(つちのとうし)、今年は27番目の庚寅(かのえとら・こういん)、来年は28番目の辛卯(かのとう)になります。そして、60歳になると暦が元に戻るという意味で還暦のお祝いをするのです。
  さて、今年の「庚(かのえ)」は糸巻の芯棒(しんぼう)を表す象形(しょうけい)文字であり、芯棒であるところから、硬い・強いといった意味になります。このことから「庚」のつく今年は、すべてにおいてしっかりと基礎を築き、芯を固める年ということになります。今年、本学園は創立60周年を迎えますが、まさに原点に戻って再構築することが必要であると思います。
  なお、歴史を遡ると、甲子園球場ができたのは甲子の年(1924年)、壬申の乱(672年)、戊辰戦争(1868年)、辛亥革命(1911年)等とそれぞれ干支が刻み込まれていることが分かっていただけると思います。