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成人の日にあたって

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  本日(1月11日)は元日に続く2番目の祝日となる『成人の日』です。当初は1月15日とされていましたが、現在は、2000年に制定されたハッピーマンデー法に基づき1月の第2月曜日、(1月8日から14日までのうち月曜日に該当する日)に改正され、現在に至っています。
  現在の日本の公定休日は15日ありますが、その基本となっているのは太平洋戦争後の昭和23年(1948年)7月20日に公布、施行された「国民の祝日に関する法律」(略して祝日法)です。その後、昭和41年(1966年)には『建国記念の日』『敬老の日』『体育の日』が追加されました。そして、平成になると、これまでの天皇誕生日が『みどりの日』に、皇太子誕生日が『天皇誕生日』になり、更に平成8年には『海の日』が加えられました。
  最近、色々な場面で感じるのはあまりにも日本のことを知らない人が増えてきているということです。祝日についても、昔のように各家庭で日の丸を掲揚することもほとんど見かけなくなり、その制定の趣旨について語られることもなくなってしまいました。そのため、〝単に休む日が増えた〟という感覚で過ごす人が大半ではないかと思います。
  国民の祝日に関する法律(祝日法)では「成人の日はおとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」とされていますが世界的に見ても、このような祝日は珍しいと言われています。日本は太平洋戦争後、国土が荒廃し物資も食料も不足していた時代に最も必要とされていたのは「国を再建していく人材」でした。良い「国家」を作っていくためには、国民自身が成長していかなくてはならないと考え、〝こどもから大人になった自覚を持ってほしい〟と願ってこの日を祝日にしたと伝えられています。
  今年の元日を二十歳で迎えた新成人は127万人となりましたが、ほとんど(約125万人)が平成生まれということになります。新成人を含む今の若者達は日本の成長期を知らず、チャレンジしない、元気がない等と批判されていますが、明治維新も戦後の日本も若い人達のエネルギーが国を変えてきたのは事実です。成人の日にあたって先人の想いを知ることが、成人になる第一歩ではないかと思っています。

  ≪ご参考≫私の友人である斎藤秀夫氏より、今夜NHK総合22時放送の「世界遺産への招待状・イタリア・ベネチア」の案内がありました。時間の許す方は是非ご覧下さい。