高校新校舎~樹木の保全と緑化の推進(Ⅰ)
(移植前のメタセコイア) (旧校舎に寄り添うヒマラヤスギ)
今回の高校新校舎の建設にあたって苦心したのが、これまで学園の歴史を見守ってきたメタセコイアとヒマラヤスギの二つの大木の命を守るということです。本校の卒業生で樹木の専門家である米谷氏に相談したところ、メタセコイアについては何とか移植することができるが、ヒマラヤスギは無理であるという答えが返ってきました。このアドバイスを受けて、メタセコイアの大木については建築工事範囲と重なるため3分の1の高さにカットした上で、枝葉を切り落とし南へ約10m移動させて移植し保全しました。
このメタセコイアは昭和38年(1963年)高校校舎の4階を増設する時に親木の実生(みしょう)から育てた苗木が大きくなったものですが、実はこの親木は高校校舎と中央棟の間に植えられているメタセコイアなのです。そして、この親木は生物学者であった三木茂博士から、昭和29年(1954年)に中学校舎(旧高校校舎)竣工の際にお祝いの記念樹としていただいたものです。そして、深く掘ったため根が十分に張り、南側で太陽の光を十分に浴びたことによって、長い歳月の間に親木を凌ぐ約30メートルの高さにまで成長したのです。
学園中高のシンボル的存在で旧校舎と生徒達の成長を暖かく見守ってきた樹齢50年に近いこのメタセコイアの周りにはサークルベンチを設置し憩いの場にする予定です。
また旧校舎の南面東側にあって校舎に寄り添うかのように聳え立っていた大木のヒマラヤスギは移植せず高さを短くして、今の場所で保全することにしました。新校舎完成のあかつきには、周りに岩石標本と低木などを植えた花壇を造る計画です。
これからも樹木の保全を通じて、木の命と本校の歴史を守り緑豊かな学園の環境を大切にしていきたいと思っています。
(現在のメタセコイア) (完成後のヒマラヤスギのイメージ)