高校新校舎~屋上緑化と雨水利用
(学園の設置予定図)
本学園に来訪された方からは、しばしば「多くの木が植えられており、素晴らしい環境ですね」という言葉をお聞きします。今回の新校舎建設にあたっては、極力現在の緑の環境を守ると共に緑化のスペースを増やすことにしました。この考え方に立って、メタセコイアを移植し、倒れ防止のためのヒマラヤスギの補強工事を行ないました。そして、新校舎に屋上緑化のシステムを導入することにしました。
近年、環境問題への対応として「屋上緑化」や「壁面緑化」が注目されてきていますが、実は屋上庭園や蔦(ツタ)のからまる壁を持つ建築物は随分古くから存在しているのです。この屋上緑化は〝ヒートアイランド現象*の防止〟と〝屋上面への断熱効果〟があり、屋根からの熱侵入を防ぎエアコンの負荷を低減するため、省エネ・CO2削減につながります。しかし、これまでの屋上緑化は多量の土を使用するため、重量が重く、風雨で土が飛んだり雨で流れたりする事が難点でした。
今回採用するシステムは土の代わりに新素材「パフカル」という人工培土を使用し、水・栄養・空気を効率的に供給する水耕栽培型の直裁ユニットであり、〝クリーン〟で〝軽量〟というのが特徴です。具体的には、4階の屋上に260㎡を予定していますが、これにより電気代が年間で約40万円節約できることになります。一方、このままでは潅水のために年間の水道代が約15万円必要となるため、雨水をタンクに集めて貯水し、必要な分だけを水位センサーによる自動灌水システムによって利用することにより、水道代を節約すると共に古くなった葉っぱの除去や伸びすぎた枝の剪定のほか施肥・害虫の駆除などのメンテナンス費用を工夫していく予定です。
*ヒートアイランド現象
都市部の気温がその周辺の非都市部より異常な高温を示す現象