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卒業生に贈る~自分なりの人生哲学を持つ

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  卒業式の式辞の中でお話ししたことを紹介します。
  一つ目は『自分なりのしっかりとした人生哲学を持つ』ということです。
私はこれまで、社会で活躍している数多くの人を見てきましたが、これらの人に共通しているのは〝自分なりの人生哲学を持っておられる〟ということです。
その中で、本日は、京都セラミックの名誉会長で、現在日本を代表する経営者の一人である稲盛和夫氏の人生哲学を紹介したいと思います。
  稲盛氏は今回日本航空の再建にもあたられることになりましたが、その人生は決して平坦なものではありませんでした。
  若い頃には結核にかかり健康面で大きな不安を抱え、大学も第一志望は不合格で鹿児島大学に進学されました。大学卒業後も、仕事がなかなか見つからず、いつ潰れても不思議ではない会社に就職されました。その後二十八歳で京都セラミックを創業され、さまざまな苦労を重ねつつ、世界に冠たるセラミック企業に育て上げられたのです。更にKDDIの会長として、日本の情報通信事業の発展に大きな貢献を果たされました。それだけに稲盛氏のいかに人生を生きるかという考え方には共感するものがあります。稲盛氏は「成功の理由をあえて挙げるとすれば、私には才能は不足していたかも知れないが、人間として正しいことを追求するという単純なしかし力強い指針があったからだと思う」と語っておられます。
  そして、自らの体験に基づき人生が成功するための方程式を示しておられます。これによると人生や仕事の成果というものは三つの要素でできている。この三つというのは「考え方」と「熱意」と「能力」であり、人生が成功するための方程式というのはこの三つの要素の掛け算でできている。つまり、人生は『考え方×熱意×能力』で決まるということです。これは足し算ではありません。従って、能力があっても熱意に欠ければ決していい結果は出ません。逆に能力がなくてもそのことを自覚して人生や仕事に燃えるような情熱であたれば先天的な能力に恵まれた人よりはるかにいい結果を得られます。そして、最初の「考え方」というものは三つの要素の中では最も大事なもので、この考え方次第で人生は決まってしまうと言っても過言ではありません。何故なら考え方にはプラス百点からマイナス百点の幅があるからです。自分さえ良ければ他人はどうなっても良いというような考え方では必ず人生は行き詰まることになります。
  この正しい考え方というものは本校の校是である高い志につながります。皆さんは単にお金や利己的な満足や、うたかたのように消えてしまう名誉や名声を得るというのではなく〝人間として世のため、人のため、未来のためにいかに尽くすか〝 という姿勢を貫いてください。