これからの学校経営~明るい改革を進める
現在、残念なことに日本はいたるところで閉塞感に包まれているようです。〝このままでは駄目だ、何とかしなければ〟ということで改革の必要性が叫ばれていますが、必ずしもうまくいっていないというケースが多いようです。
日本という国一つを見てもGDPの2倍にあたる巨額の債務を抱え、これが増え続けているにもかかわらず、一向に歯止めがかからない状況です。また、企業においても同様の現象が数多く見られます。そして、最終的にどうにもならなくなって、倒産したり、痛みを伴うリストラを断行するということになってしまいます。一つの家庭を例にとると、収入を上回る支出があり、これが毎年続くと破綻するのは目に見えています。しかし、この当たり前のことが国や企業というレベルになると放置されてしまうということが多いのです。まさに、〝ゆでガエル現象〟と言わざるを得ません。
さて、教育界を見ても実に多くの課題を抱えています。その最大の原因は少子化、つまり児童・生徒数が増えないということです。今、多くの企業は遅まきながら世界の新興市場の開拓を加速し始めています。しかし、学校の場合は国外に出ていくことは困難な状況であり、パイを増やすという方策は見当たりません。この点においては、学校経営は企業経営以上に難しい面があります。
言い換えると、児童・生徒数が増えるという前提に立った〝右肩上がりの学校経営〟は成り立たないということです。しかし、現在のシステムは生徒急増期に構築されたものが大半です。早急にこれらを見直していかなければ経営に行き詰まる学校が次々と出てくるのは間違いないと思います。
改革は体力のある間にやるというのが鉄則です。追い詰められてからでは暗い改革になってしまいます。まさに全員が危機意識を共有し、〝明るい改革〟を進めていくことが大切であると思っています。