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雲雀丘学園の歴史を知る

昭和63年頃の高校校舎.jpg ≪昭和63年当時の校舎≫                     
 
  雲雀丘学園は本年、人間で言えば還暦にあたる「創立60周年」を迎えますが、まさに激変する環境下にあって、創立の原点に立って新たな第一歩を踏み出すことが必要であると感じています。60年という歳月は2世代にあたるため、当時のことを知っておられる人はほとんどおられないと思います。私自身も本学園での勤務が4年ということで、正直なところ過去のことは皆目解りません。そこで、創立の精神を確認するため、初代の中学・高校校長である板倉操平氏の「わが心の自叙伝」を読み返してみました。この中で、改めて本学園は他の私立学校のように校主によって造られた学校ではないということを痛感しました。
  板倉氏の自叙伝には「父兄(保護者)が創業者であり、先生が協力し、生徒が又一体となって造り上げた学校である。何等の設備もなく、教室さえ無い所から学校教育が始まった。小学校の当初は、既設の幼稚園に間借りし、工事事務所を買い取って学校とし、中学校も小学校の空教室へ新一年生を入れて授業を始め、時には物置までも教室にした。・・・(中略)・・・ 年次を加える毎に、先生も増員せられ、設備も一応は整ったが、しかし、既設の他の私立学校、公立学校に比ぶれば、職員組織も整わず、設備も不備であった当時の卒業生第一回、第二回の連中は其の後の成績は最も優秀であり、現在も社会で大いに活躍している。・・・(中略)・・・ 設備も整い職員組織も充実した其の後の生徒諸君、其の日の生活に安住していると、創業時代の卒業生に及ばぬ結果となる。今は守成時代に入ったが、あくまで創業時代の意気込みを忘れてはならぬ、生徒先生も。」と叙述されています。
  中学校が創設されたのは学園創立3年後の昭和28年(1953年)であり、翌年の昭和29年(1954年)には鉄筋校舎(旧の高校校舎)が完成しています。それから56年が経過し、今回の新校舎が建設されることになったのです。
  この創立60周年という節目にあたって、本学園の創立の精神や歴史を学び、語りついでいかなければと思っています。