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日本の競争力急落

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  この度、IMD(スイスの有力ビジネススクールである経営開発国際研究所)が発表した『2010年の世界競争力』の結果は大きな衝撃を与えています。これによると、世界における日本の総合順位は58カ国・地域で27位と、昨年の17位から急落しました。この調査は毎年実施されていますが、「経済状況」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「社会基礎」の分野で約300項目の統計や独自調査の結果を分析し、順位を発表しています。1位はこれまでのアメリカを抜いてシンガポール、2位は昨年と同様香港、3位はアメリカとなっていますが、アジアの国々がランクを上げている中で、日本の低迷振りが目を引く結果となっています。アジア勢は台湾が「ビジネスの効率性」が高く評価され、23位から8位に大躍進、中国が20位から18位に、韓国が27位から23位にランクを上げました。これに対して、日本は「経済状況」が大幅に低下し、「政府の効率性」では膨張し続ける財政赤字が評価の足を引っ張りました。この調査が始まった1989年から93年までの5年間、日本がトップであったことを考えると、この20年近く一体何をしていたのか慙愧(ざんき)に堪えません。
  特に、日本の法人税の高さに関しては、58カ国・地域で最下位となり、外国人労働者や外国企業の受け入れ態勢も低い評価となりました。また、製造業への社員の派遣が制限されることになると、国際企業は軸足を日本から海外に移すことになり、〝空洞化〟が生じることになります。こうなると、雇用情勢が一段と厳しくなるのは避けられません。企業の国際競争力を高めるためには、法人税の見直し、政府の強力な支援、さまざまな規制緩和を早急に行なわなければなりません。また、公的債務という負の遺産を後世に引き継がないためには、税金の無駄遣いを徹底的に排除すると共に消費税の引き上げ等税制の見直しを図っていかなければならないのではないでしょうか。日本国民全員が意識を改革し、危機感を持って取り組んでいくことが何よりも大切であると思っています。