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新校舎見学会の開催

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  5月27日(木)、塾の皆さんを対象に「新校舎見学会」を開催しました。最初に私から挨拶とお礼を述べ、続いて教頭から「学校の概要」、建築委員の先生から「新校舎」について説明させていただきました。私の話の内容は次のとおりです。 
  
  〝(Ⅰ)今、時代はめまぐるしく変化してきており、最近では“マウスイヤー”という言葉が使われるようになってきました。これまで、10年間で徐々に変化してきたことが、わずか1年で変わってしまうくらい時代の変化が早いということではないかと思います。このような時には大きな視点に立つことが大切です。ところが、残念なことに日本はあらゆる分野でグローバル化の波に乗り遅れてしまいました。我々の教育界も例外ではありません。このグローバル化という視点に立って考えると
  ①世界の人口は、現在68億7000万人に達しました。1900年の人口が17億人ですから、わずか110年の間に4倍に増加したということになります。そして、1日に20万人、1年間で8000万人増加してきています。こうして私がお話をしている1分間で実に150人の人口が増えていることになります。
  ②そして日本にとってショッキングなことは、BRICsをはじめとする新興国がめざましい経済成長を遂げており、間もなく日本のGDPは中国に抜かれ、世界3位に転落します。
  ③日本企業のランクも低迷してきており、かつて花形であったエレクトロニクス企業を見ても、ソニー・パナソニック・シャープ・日立・東芝など日本の8社をたしても、韓国のサムソン一社に勝てない状況になっています。また驚くべきことは、サムソンの新入社員の採用の実態です。採用基準はTOEICの点数が910点であり、課長への昇進の条件は900点です。そして韓国の中学高校のトップ校では、すべて英語による授業が行われているとのことです。
  ④このままでは、技術立国としての日本の地位も早晩崩れてしまいます。この地位を守っていくためにもグローバル人材の育成が極めて大切です。皆さんの会社、私達の学校が連携して、将来の日本を背負って立つ子ども達を育てていかなければ駄目だと思っています。
  (Ⅱ)次に、本校の学校改革の取り組みを若干紹介させていただきます。
  4年前に、高校におけるコース制の導入を柱とする学校改革をスタートさせ、翌年(平成20年)からは中学改革に着手しました。この改革の基本の考え方は、創立の精神である親を大切にするという“孝道”であり、社会で役立つ人材を育てるということです。そのために人間としての根っ子である人間力と学力の向上の両立をはかり、きめ細かい進路指導を行なっていきたいと考えています。
  (Ⅲ)最後に生徒の「安心・安全」ということを、第一に考えて、さまざまな取り組みを行ない学習環境を整えてきました。今回の高校校舎の新設にあたっては“ゆとり”と“エコ”をテーマに、校舎そのものを生きた環境教材として建設を進め、太陽光・屋上緑化・LED等を採用しました。さまざまな環境問題は、すべて人間が作り出してきたものであり、環境に配慮するということは、人間に対するやさしさや思いやりにつながることになります。本校ではこの環境教育を人間教育の一つの柱にしていきたいと思っています。〟

  その後、いくつかのグループに分かれて、校舎の見学をしていただきましたが、参加された皆さんは、実に恵まれた教育環境が整っていることを実感されたのではないかと思っています。当初は生徒達の授業の様子をご覧いただきたいと考えておりましたが、教職員全員でお迎えしたいという思いで、あえて定期考査の日にさせていただきました。今後、是非、生徒や保護者の皆さんと見学にお越しいただきますようお願いします。本日はご多用中のところ本当に有難うございました。