地域の活性化
現在、日本では地方の過疎化が深刻な社会問題になっています。工業化の進展と共に大都市への人口集中が進み、農業や林業、漁業に従事する人が激減してきました。しかし、近年、製造業やサービス業における成長が期待できなくなると、雇用の確保が難しくなり、失業者が増加する等の憂慮すべき事態を招いています。一方で、食料自給率は41パーセントと先進諸国では最低の水準にもかかわらず、農業や漁業に従事する人は減少の一途をたどっています。まさに、労働力のミス・マッチが生じてきているのです。和歌山県も大阪府に隣接していますが、全体的には過疎化が進んできており、連休中に訪問した日高郡も人口減が続いているようです。しかし、都会にはない素晴らしい自然と海や山の豊かな幸に恵まれています。
先日、初めて訪れた日高郡の由良町大引にある白崎海洋公園(しらさきかいようこうえん)は、全体が白い石灰岩で囲まれていて、日本の渚百選に選定された美しい海辺の公園です。近海を漁船で遊覧しましたが、青い海と白い岩山のコントラストは素晴らしい景観です。この石灰岩は古生代ペルム紀のもので、直径が数mm~1cmほどのラグビーボールを小さくしたような形の有孔虫のフズリナなどが堆積したもので、雨水によって侵食されてできたカルスト地形や海に浮かぶ奇岩も魅力的です。また、周囲は豊かな自然に囲まれており、ダイビングスポットも多数あり、毎年3月から7月頃にはウミネコの大群が公園全体に飛来します。
この他にも日高郡には、先日紹介した観光スポットとしての道成寺やホタル、農作物としてのみかん、木材等の魅力的な材料もあります。今一度、身近にあるものを見直し、これらを前向きに活かしていけば、地域の活性化がはかれるのではないかと思いました。