高校全校朝礼~企業のグローバル化
6月23日(水)、高校の全校朝礼で次のような話をしました。
〝皆さんは学校で色々なことを学んでいますが、学校というのは将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場です。しかし、現時点において将来どういう道に進んだらよいのか、またどのような仕事があるのかもわからない人が多いのではないかと思います。
動物の世界では、食物を摂ったり、身の安全を守るということが、最も基本となる行動ですが、人間はこれだけではなく、より豊かな生活を求めたり、人の役に立つために行動することを大切にします。これまで、何度も話しているように、現在の世界の人口は69億人ですが、今後どんどん増え続けて、今から40年後(2050年)には90億人になります。そして、今は実に7人に1人が食べる物にも困っている状況ですが、当然のことながら、これらの人たちの誰もが豊かな生活を望んでいます。
人間は、おいしい物を食べたい、快適な家に住みたい、素敵な物を着たい、便利な生活をしたい、早く目的地につきたい、おしゃれをしたい等、より良い生活を求め続けてきました。これらの望みをかなえようとして、さまざまな企業が生まれてきました。これらの企業は人やお金を使って、経営活動をしています。企業が追い求めるのはお客様に対する満足度を高めることとその企業で働く従業員の給与や福祉の向上をはかることですが、この実現のためには企業を成長させなければなりません。つまり、売上げや利益を上げていくことが必要なのです。
仮に企業が潰れると、消費者や取引先等多くの人に迷惑がかかることになり、従業員も仕事を失ってしまいます。これまで日本は人口が増加し、国内の消費も伸びてきましたが、これからは人口減と高齢化が進むため大きな経済成長は見込めません。一方で途上国は目覚しい経済発展を遂げてきており、今後も大きな成長が期待できます。所得はまだまだ低い水準にとどまっていますが、人がたくさんいるところはそれだけ潜在的な購買力が大きいということであり、企業にとっては魅力的な市場ということになります。これからは日本という枠にとらわれず、グローバルな視点で市場をとらえていかなければなりません。その上で、新興国の人達に満足してもらえるような低価格の商品づくりを行なっていくことが必要なのです。皆さんはこれから企業のグローバル化がますます加速されてくるということを是非認識しておいてください。〟