« 環境に配慮した食生活のすすめ | メイン | 環境大使の活躍 »

高校全校朝礼~グローバル化の推進

10060901.jpg 10060902.jpg

  本校では、考査や行事のスケジュールを考慮して、中学・高校・中高合同の3つのパターンで全校朝礼を実施しています。司会は生徒会の役員が行ない、通常は部活動の表彰の後、校長訓話ということになっていますが、中学生と高校生では理解力にかなりの差があるため、本年度、中学生には〝環境〟高校生には〝グローバル化〟という異なるテーマで話をすることにしています。本日(6月9日・水)は、高校の全校朝礼において次のような話をしました。
  〝日本は第2次世界大戦で全土が焼野原になり、戦後は十分な食べ物も着る物も住む家もないという状況でした。しかし、この苦境に対しても先輩達はくじけることなく、欧米に追いつけ、追い越せという強い思いで、懸命な努力を積み重ねました。この取り組みの結果、自動車・電機に代表されるような産業が発展し、世界第2位のGDPを有する経済大国になったのです。これを支えたのは、生産人口の増加と、アメリカやヨーロッパ等の先進国への輸出の増大です。
  この間の世界はアメリカとソ連に代表される東西の冷戦が続き、各国が軍事力の増強をはかる一方で、日本は軍事産業以外の産業分野に注力してきました。しかし、ベルリンの壁が崩壊して、この緊張関係が緩和されると一挙にグローバル化が加速したのです。同時に情報化が進展し、BRICsを中心とする新興国が急速に経済発展を遂げるようになってきました。BRICsというのは、ブラジル、ロシア、インド、中国ですが、これらに続いて、VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)といった国々も大きな成長が見込まれています。
  今、世界には1日に5ドル以下で生活している人が約40億人いると言われています。これらの人達を対象とする商品は、これまで先進国で受け入れられていた商品とは全く異なるコンセプトのものです。自動車の例を挙げると、インドでは日本や欧米で売れている通常200万円を超えるような物は受け入れられません。そして、価格が20万円台という超低価格の自動車が発売されています。占有率のトップはトヨタでもGMでもなくスズキ自動車、2位はタタ自動車となっています。この例でも分かるように、これからは、あらゆる商品において世界共通モデルというものは通用しなくなり、その国に応じた個別のモデルが必要になってくるのです。言い換えると国別の商品開発が不可欠となるため、これまでのやり方を抜本的に見直していかなければなりません。グローバル社会においては、国内に閉じこもるという行動パターンは通用しないということになるのです。どうか、皆さんはグローバルな視点で行動して欲しいと思います。次回は電機を例にあげてお話します。〟