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農業の実態を知る

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  今回の修学旅行の大きなテーマは「環境プログラム」と「ファームステイ」です。今年はファームステイの取り組みを始めて6年目になりますが、受け入れ先の農家からは〝単なる観光旅行としてではなく、生徒達に農業の大切さや米や野菜作りの苦労や喜びを知ってもらいたいという思いで取り組んでいる〟という多くの声が寄せられています。
  現在のわが国の食料自給率は41%と先進諸外国の中でも極端に低い水準になっています。また、農業に従事する人の高齢化や耕作地の減少が続いています。2009年2月時点では、農業の就業人口は過去最低の285万人であり、このうち65歳以上の高齢者が全体の6割以上を占めており、40歳未満はわずか8%に過ぎません。つまり農家には後継者がいないという深刻な状況下にあります。更に耕地面積も前年比で0.4%減となっているのです。
  そして、多くの食料を海外に依存しながら一方で米の減反政策を実施する等ちぐはぐな動きが目立っています。いずれにしても、このままの状況が続けば日本の農業はますます衰退の一途を辿ることになります。これから世界の人口が増え続ける中で、食料が不足し争奪の激化が現実味を増してきています。日本にとって食料問題はアキレス腱になる可能性が大きくなることが予想されますが、残念なことに国民の危機感は薄いようです。
  今回のファームステイを通じて、生徒達が農業の大切さを知り、食糧問題を考えるきっかけにして欲しいと思います。また、将来の職業を考える際にも、人間が生きていくためのベースとなる「食」を視野に入れた選択を行なってくれることを期待しています。