ヒグマの生態を学ぶ
今回の修学旅行ではヒグマの生態について学ぶ機会を得ました。
ヒグマは明治前には北海道のほぼ全域で5000頭も生息していたようですが、それから150年経過した現在においては生息域が全道面積の半分となり、生息数も2000頭から2500頭に減少しているようです。驚いたのは生まれたばかりのヒグマは約400gしかなく人間よりもはるかに小さいが、3か月で4kg、1年で40kg、4年の成獣のオスでは400kgと出生時の体重の1000倍にもなるとのことです。
そして、0歳から1歳までの幼いクマは、まだ親離れできずに母グマにつきまとっていますが、2歳を過ぎると親離れを始め、以降は単独で行動します。そして、オスは5歳、メスは8歳ほどで成長は鈍り、約20~30年の寿命を持つようです。
また、ヒグマは本来肉食ですが、時や場所に応じて自由にその食性を変え、臨機応変の食生活をする雑食性の動物です。 そして、冬になると長期間穴にこもり、ほとんど身動きせずいわゆる「冬ごもり」をしますが、この理由はエサの不足と寒さを逃れる保身の習性であると考えられています。 ヒグマは11月下旬までには冬ごもりを始め、穴から出るのは3月下旬から4月の中旬までのため、実に4ヶ月以上もの間、エサを食べずに生き延びているということになります。その上、メスはこの間の1月下旬から2月初旬に出産し授乳に耐えるため、体力を消耗することになり、冬ごもりの前後では体重の25%から30%も減少します。このためヒグマは秋には貪欲な食欲でエネルギーを蓄えます。 また、ヒグマは自分の縄張りを持っており、食べ物が豊富な山でも同じ地域に2頭以上生息することはほとんどありません。
アイヌの信仰では、ヒグマにはキンカムイ(山の神様)とウェンカムイ(悪い神様)の二種があり、キンカムイは、森を育て、人々に恵みを与える神。ウェンカムイは、人に害を与え、問題を起こす危険な神で、アイヌはウェンカムイを討ち取り、徹底してこらしめると言い伝えられているようです。
地球上のさまざまな動物達がそれぞれの地域で、自分にあった独自の生活を送っていることを知り、興味深く感じました。