急速な経済発展を遂げる新興国
主要8ヵ国(G8)首脳会議が日本時間26日未明からカナダ東部にあるムスコカで開幕されています。日本からは菅直人首相が出席していますが、各国の首脳による世界の経済情勢や朝鮮半島の核・ミサイル等の課題について活発な討議がなされています。G8というのは日本、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの先進7ヵ国にロシアを加えた国々で、これまではこの8ヵ国が世界をリードしてきました。
しかし、2008年から2009年にかけての世界経済はアメリカの金融危機の影響を受け、大きく落ち込みました。この対策として世界各国は金融機関への資金の注入や超低金利政策の導入、国内需要の喚起のための景気対策等を行ないましたが、世界経済はいまだに後遺症に苦しんでいます。更に今はギリシャに端を発したEUの経済危機が全世界に波及するのではないかという懸念が囁かれています。このようにグローバル化の進展に伴って、経済危機の火種はいたるところに存在するようになってきました。 そして、既に世界は先進国と一部の国では解決できない状況下にあり、急速な経済発展をとげる新興国を含めた議論が不可欠になってきているのです。そのため、G8に続き中国首脳などが参加するG20サミットが開催されることになっていますが、この中心になっているのがBRICsとVISTAです。BRICsについてはこれまで何度も紹介していますが、VISTAというのはベトナム、インドネシア、南アフリカ連邦(South Africa)、トルコ(Turkey)、アルゼンチンです。
今回のサミットでは、金融規制をめぐるアメリカとEU、為替相場をめぐる中国と欧米、環境をめぐる新興国と先進国、日本に対する経済成長強化の要請等、利害が対立する各国の思惑が交錯していますが、このなりゆきを注視していきたいものです。