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終戦記念日にあたって

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  本日(8月15日)、65回目となる終戦記念日を迎え、第2次世界大戦の悲惨な体験が次第に風化されつつあります。この戦争では日本の軍人230万人、一般人80万人、あわせて310万人とアジアの国々を中心に約1680万人の死者が発生し、更に日本は世界で唯一の原子爆弾被爆国となりました。
  この敗戦は日本にとってあらゆる面で大きな転換点になりました。光の部分では、工業化の進展に伴って物質的には豊かになり、世界に冠たる経済大国になりましたが、陰の部分も多く生じることになりました。その最たるものは、精神面ではないかと思います。かつて、日本人は羞恥心や奥ゆかしさ、思いやりに加えて忍耐力も兼ね備えた礼儀正しい民族でしたが、これらの美徳がことごとく消失しつつあります。
  また、工業化の反動によって、美しかった故郷の棚田や森は姿を消し、河川や海は汚れてしまいました。更に〝勿体ない〟という質素な生活も、いつの間にか陰をひそめ、物を大切にする気持ちが薄らいできています。世界中から食糧を集め、使い捨て商品や廃棄食材によるごみは溢れ、冷暖房や照明・輸送にかかるエネルギーを無駄遣いする等の憂慮すべき状況になっています。この半世紀に、日本人の食生活は大きく変化し、米と魚と野菜中心の食事からパンや肉を中心とした「食の西洋化」が急速に進んでしまいました。
  現在、世界ではいたるところで紛争が発生しており、核を保有する国も増えてきています。また、深刻な食料不足に陥っている国も散見されます。この終戦記念日にあたって、今一度世界の平和を願うと共に我々の生活のあり方を見直していきたいものです。