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水源を守る~奥大山のブナ森

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  大山は中国山地の最高峰で標高1709mですが、以前は火山で180万年前から50万年前までは大規模な噴火を繰り返していたようです。最後の噴火が確認されているのは約1万年前で、地層は火成岩が主体です。そして、奥大山一帯は広大なブナの森が生い茂っており、永い間にブナの落ち葉が積み重なってできた腐葉土で覆われています。
  西洋ではブナは〝森の聖母〟と呼ばれています。この理由はブナの森のあるところには例外なく名水と言われる美味しい水が湧き出ているからなのです。この奥大山の森も例外ではありません。この大山に降った雨や雪は、ブナの葉で集められ、幹を伝って腐葉土の中を通り、ミネラルを主体とした栄養分をたっぷりと含んだ地下水として蓄えられます。そして、数十年という長い年月を経て素晴しい味覚の水に生まれ変わり、地表に湧出してくるのです。
  私も2年前に、この奥大山の森に足を踏み入れましたが、ブナの落ち葉が何重にも積み重なった土はふかふかのスポンジのようで、水を大量に吸い込むということが分かりました。このようにブナの木は飲み水をつくるという非常に重要な役割を果たしているのにもかかわらず、これまで日本においては、あまりにも身近で多くあったため、伐採されて杉や檜が植えられたり、パルプの材料とされる等大切に扱われてこなかったのです。このことは、ブナという漢字が「木偏に無い」と書くことでも想像できます。
  しかし、これから世界的に水が不足する時代にあって、安全な水源の確保をはかるために、ブナ林を再生させることは非常に大切な取り組です。今一度、水を守る、森を守るということを考え直していかなければならないと思っています。

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